りょう
@ryozy
2026年2月1日

ブレイクショットの軌跡
逢坂冬馬
読み始めた
読み終わった
今年一冊目の小説。昨年該当なしだった直木賞の候補作品だったはず。
まだ途中なのでどこに落ち着くのかまったく想像できないけれど、先へ先へと読み進めてしまう展開。登場人物も場面も多いけれど、それぞれのエピソードが映像のように目の前に立ち上がる描写が秀逸。
読み終えた時にまた印象が変わるのかもしれないけれど、まずは途中の備忘録として。
〈読了後〉
最終盤で、群像で展開されていた話がすべてつながる。
最後になってそれまで点線だったものがつながり、この本自体が「ブレイクショットの軌跡」を読者に辿らせる仕掛けだったと気づかされた。
「ブレイクショット」は、ビリヤードの9ボールの最初の一打であり、本作では重要なアイテムであり仕掛けとなっている車の名前だ。
偶然とも必然とも言える世界で僕たちは生きている。
まぐれといえばまぐれだし、実力といえば実力。
その境界のグラデーションの中で、本作の登場人物たちもまた生きている。
身近な誰にでも感情移入できるわけもないのと同じように、この登場人物たちにも必ずしも共感できるわけではない。けれど、同じ世界線を生きていることは分かる。だからこそ、より生々しく感じられるのかもしれない。
本当にすべてがフィクションなのか。いや、そうでもないかもしれないことを、作者が隠そうとしていないところが数カ所感じ取れる。
読書中の疾走感といい、読後のさわやかさといい、一級のエンターテイメントだと思う。映像化は、しないでおいてほしい。




