
kni
@hcaebehtel
2026年1月29日
わたしたちが光の速さで進めないなら
ユン・ジヨン,
カン・バンファ,
キム・チョヨプ
読み終わった
全編面白くて、7編全部好きなお話だった!綺麗な箱に入ってる見た目も味も全然違うプラリネのチョコレートBOXみたいな本だった。
ずっと面白いんだけど、終わり方にぎゅんと感情持っていかれて、好き。どんどん宇宙が広がって広がって、最後に収束してきちんと美しくたたまれて終わる感じ。そのきれいにたたまれたハンカチをずっと心に持っている。どの話もことあるごとに、ふと思い出すんだろうな。
✴︎「巡礼者たちはなぜ帰らない」
気づいてしまった彼女は、見て見ぬふりをすることができない 息苦しい愛の世界を選ぶ
✴︎「スペクトラム」
"一文"と添えられる微笑のこと 灰を、何処かにきっとあるはずの彼の星へ
✴︎「共生仮説」
このうつくしくやさしい存在が居たならば、どうか、これからも共に生きてゆけたらいい
✴︎「わたしたちが光の速さで進めないなら」
念願を果たす彼女の姿を見ている "劇的な展開"でないのに、どうして涙が出るんだろう
✴︎「感情の物性」
形になった感情、わたしも持ちたいと思ってしまった。あの一番嬉しかった時間の美しい感情の揺れを形にできたのなら。見て、撫でられたなら。
「洗練されたデザイン、つまりはインスタ映えする」(p.178)←好き(そうやね)
✴︎「館内紛失」
キャッチーなタイトルと導入に心奪われたのも束の間、"わたしたち"にいちばん近い話で、辛く、でも嬉しい。この話が在ることが。
「シナプスの列 カメラのフラッシュ ショーウィンドウ」(「新聞」/People In The Box)が頭を周る 『剥製にされた魂』
✴︎「わたしのスペースヒーローについて」
自分が生きたい方向へ 辿り着きたい場所へ 自分が一番大事にしたいことを遂行してみせた、彼女と彼女のこと
✴︎著者あとがき
「追い求め、掘り下げていく人たちが、とうてい理解できない何かを理解しようとする物語が好きだ (中略) それほど遠い未来にも、誰かは寂しく、孤独で、その手が誰かに届くことを渇望するだろう。どこでどの時代を生きようとも、お互いを理解しようとすることを諦めたくない。」(p.304)
✴︎解説
「情報化が進み、格差は拡大し、誰もが有能になろうとして、疲弊してる現代。弱い人が不完全さと共に生きていくために、キム・チョヨプの物語が求められているのだ」(p.313)
わたしが一番好きな物語のことが好きなかたが書く物語、当然大好きだった。これからを生きていくのに携えるための彼女の本、もっともっと読みたいな。
◇
登場人物の性別について、一見では判別できないし、自分の固定観念でああ、となってしまう瞬間がたびたびあったのが良かった。こういう小説が増えるといい。特に最後二編がフェミニズムに隣接していて、苦しいけど嬉しかった。こういう話が読みたいんだ
最後の方world's end girlfriendを聴きながら読んでいたんだけど、かなりフュージョンして良かった✴︎





