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@teihakutou
2026年1月28日
日本のふしぎな夫婦同姓
中井治郎
読んでる
p.107-108
春が終わる頃の昼下がり。華やかな振袖姿の三姉妹が笑顔で並んでいる。まるで谷崎潤一郎の『細雪』のようだと思った。と同時に僕は、「この三姉妹は祝福されていなくてはならない」そう強く感じたのを覚えている。
それは、彼女たちが三姉妹として生まれてきたことのために、何かをあきらめなくてはならないようなことを、ただの1つとして許すわけにはいかないという、怒りにも似た衝動だった。何か深い考えがあったわけではない。かっと頭に血が上った。「仕方ない」なんてロが裂けても言いたくない。ただそれだけである。
その後にさまざまな面倒を引き起こすことになる「妻の姓を選ぶ」という僕の思いつきは、この衝動に導かれたものだった。

