
ユメ
@yumeticmode
2018年11月28日
ギケイキ
町田康
かつて読んだ
感想
初っ端から「なんじゃこりゃー!」と叫んでしまうような、町田康版『義経記』。義経が千年前我が身に起こったことを振り返るという形式の物語は、破茶滅茶な面白さだ。町田節で語られる『義経記』はとにかくロックで、決して単なる現代語訳ではない。立派な『ギケイキ』だ。町田さんの筆にかかれば、義経は己の美貌や才能に陶酔するナルシストだし、弁慶は冗長不安定な面倒臭い奴である。誰も彼もが強烈なキャラクターを持っていて、凄まじく人間臭い。これだけ暴走していながら、『義経記』の大筋から外れることがないのが奇跡的な凄さだ。
