
伊藤裕満
@Blow_the_Night
2026年1月29日
嫉妬/事件
アニー・エルノー,
堀茂樹,
菊地よしみ
読み終わった
『嫉妬』はほとんどが内面描写で進む。
そして最後にはその内面のうねりによって、そして何より、それらを書くことによって、自己を分析し、解体し、再構築することによってその戦いを終える。
『事件』は中絶が違法だった時代に若くして妊娠してしまった女性がどうやって中絶し(もちろん紆余曲折ある)、その後どうなったのか。そしてそれらをこれまた「書く」ことで、「過去」を記憶ではなく事実として今書いている現在に蘇らせる。
と書いたものの表現というか、解釈としては間違ってるかもしれない。ただ、そういった文学でしかなし得ないことを、自分と、過去と、おそらく本当に文字通り真正面から向き合い、そこにピタリと当てはまる言葉が生まれるまで時間をかけて紡ぎ出されているのは疑いようがなく(そう書かれてもいる)、あたかも自分が当事者になったかのような感覚に陥るし、読んでいて痛みを伴う作品。
