綾鷹
@ayataka
2026年1月30日
汝、星のごとく
凪良ゆう
風光明媚な瀬戸内の島に育った高校生の暁海(あきみ)と、自由奔放な母の恋愛に振り回され島に転校してきた櫂(かい)。
ともに心に孤独と欠落を抱えた二人は、惹かれ合い、すれ違い、そして成長していく。
2人の17歳から32歳までを描く恋愛小説。
恋愛小説なんていつぶりに読んだだろうか。。
優しくて何も切り捨てられない主人公の2人。
ずっともどかしく感じるけど、
そんな2人だからこそのラストに感動した。
文章が美しく切ない。
夜空の青、海の青、煌めくビーズの色...
終始、様々な青が思い浮かべられ、
静かに感情を揺さぶられる小説だった。
・「暁海ちゃんは好きに生きていいの」
「そんなの自分勝手です。許されない」「誰が許さないの?」
間髪いれず問い返されて答えに詰まった。
「自分の人生を生きることを、他の誰かに許されたいの?」
島のみんな。世間の目。でもその人たちに許されたとして、わたしは一体ーー。
「誰かに遠慮して大事なことを諦めたら、あとで後悔するかもしれないわよ。そのとき、その誰かのせいにしてしまうかもしれない。でもわたしの経験からすると、誰のせいにしても納得できないし救われないの。誰もあなたの人生の責任を取ってくれない」
・今度も無理そうだ。俺は幸せになれそうかと訊いたのだ。幸せにしてくれそうかなどと訊いていない。誰かに幸せにしてもらおうなんて思うから駄目になる。自分で勝手に幸せになれ。自分は自分を裏切らない。母親を通して、俺自身に言い聞かせた。
・きっぱりとした口調。瞳子さんは昔と少しも変わらない。世間から後ろ指を差されても、自分というものを手放さない。わがままであることと、優しいことと、強いことを並び立たせている。そういうところにわたしは噛れ、でも少しも近づけない。
・「人は群れで暮らす動物です。だからなにかに属さないと生きていけない。ぼくが言っているのは、自分がなにに属するかを決める自由です。自分を縛る鎖は自分で選ぶ」「矛盾してませんか。不自由さを選ぶための自由なんて」
「実際ぼくたちは矛盾だらけの生き物じゃないですか」
・「何度でも言います。誰がなんと言おうと、ぼくたちは自らを生きる権利があるんです。ぼくの言うことはおかしいですか。身勝手ですか。でもそれは誰と比べておかしいんでしょう。その誰かが正しいという証明は誰がしてくれるんでしょう」
「•・・・・・わかりません」
「ええ、ぼくにもわかりません」北原先生はわたしに真っ直ぐ向き合った。
「正しさなど誰にもわからないんです。だから、きみももう捨ててしまいなさい」

