
タレ
@miki_nike
2026年1月30日
声を出して、呼びかけて、話せばいいの
イ・ラン,
斎藤真理子,
浜辺ふう
読み終わった
@ MINUTES COFFEE
イ・ランさんとは生い立ちも境遇もまるで違うのだけれど、その世界の捉え方はものすごく腑に落ちる。本作は最初から最後まで死に満ちていて、ほとんどの章で涙をこらえられない。
家父長制と男児選好思想に染まりきったイ一族の中にあって、「私は、自分の物語を世の中に示すことのできる狂女でよかった。だけどわたしだけではなく、お母さんの狂女の歴史もとても重要だから、広く世に知らせたい。」と言うランさん。そう、お母さんも本当にかわいそうなんだよ…。宗教に傾倒する理由が「聖書に出てくる唯一神=完全な父親像」で、宗教を持たないわたしでも深く納得してしまった。
お姉ちゃんの死も本当にやるせない。ランさんは、長女病と消尽死と称していたけれど、これにも深く納得。「もう何の借りもないよ、この世に。」
それでも本作はふしぎと悲愴感が薄く、かなしみもどこかあかるい。脳腫瘍が疑われ、日記に百回以上も「死にたい」と書いてきたランさんは喜ぶが、ふと口にした独り言は「惜しい……」。
ジュンイチからのメッセージ「ご飯をちゃんと食べて。ご飯を食べると力が出るでしょ」は、イ・ランさんの心ばえでもあり、読者からの祈りでもある。



