taisho "正欲" 2026年1月30日

taisho
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@y_general_d
2026年1月30日
正欲
正欲
朝井リョウ
同じ世界でも、自分と他人とでは見え方、感じ方は違う。頭では分かるけど感覚としては分からない。分からないから分かろうとするのではなく、分からないけどそういうものなのだと放っておくことが正しいのかなと最近は思っている。(LGBTQとか下手に首突っ込んで理解しようとしても失礼なだけだったと昔学んだ。) 自分自身がよその星から来た宇宙人であるような感覚を持つ場合に、自分が存在して良いのだと安心する為にまず必要なのは「繋がり」だ。同じ言語で語れる同志を作ることだ。 その点で八重子は正しいけれど、残念なことに八重子は同じ言語(性的嗜好)ではないので、大也にしてみれば信用出来ない多数派と同じに見えてしまっている。 きっと、大也自身が同じ性的嗜好仲間で存在を認め合って、自己肯定感が高まったところで他者との違いを肯定できるようになったら、八重子の言う「繋がり」も許容出来るんじゃないかと思うんだけど、そこに至るまで他者が大也に出来るのはただそっとしておくことくらいじゃないかなあ… ふうん、変わった奴だな、くらいに無関心でいるくらいが一番良い気がする。(排除は論外) 本作に関して言えば、正しさに拘り過ぎてるところが人生を生きづらくしているように思えるけど、本作のずるいのはそれは自分が多数派であるからだと読者に思わせてしまうところよね。深入りを許さない。 朝井リョウは『インザメガチャーチ』『何者』に続いて三作目だけど、問題提起の仕方が毎回上手くて感心するね。嫌でも考えさせられる。
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