
ayami
@chanmiii_3
2026年2月11日
イン・ザ・メガチャーチ
朝井リョウ
読み終わった
@ 自宅
"大きな物語の崩壊と、個人化の行く末"
学生時代に強い関心を持っていたテーマを、また掘り返したくなるような作品だった。
日経の連載作品と聞いて妙に納得。
推し活に絡め取られていく女性を高みの見物のつもりで読もうとすると、仕事に邁進しすぎた中年男性の虚しさやどうしようもなさがどんどん暴かれていって、ぐさりぐさりとこちらを刺してくる。すべてが他人事でない。
さすが15周年作、何とも朝井リョウらしく時代の空気を広い、どうしてそこまで明らかにしてしまうの、と言いたくなるような人の感情まで包み隠さず明らかにしていく。
登場人物たちの一挙手一投足、解像度の高さに惹き込まれて、読み進める手が止まらなかった。
ラストの大どんでん返し的なものがなかったのも、かえって物語の余韻を強めていたかも。
私は、視野を広げたり、また狭めたりを、その時々の自分にとって心地がいい方で繰り返して行くことは悪くないんじゃないかと思う。
ただし、そこには常に俯瞰して自分を見ている、操縦手としての自分がいることが大前提。
趣味、勉強、仕事、すぐそばに居てくれる人との人間関係構築、育児、なんにしたって、まずはしっかりと自分の手で、自分の人生の基盤を作っておくことは、豊かに生きるために、惑わないために、必要だと思う。

