しんどうこころ "灯台へ" 2026年1月30日

灯台へ
灯台へ
ヴァージニア・ウルフ,
御輿哲也
わたしの人生の一冊に加えたい本が、また増えた。 文学だからこそ触れ得る世界に、今回も出会えたと思う。 目を凝らせばこの上なくゆったりと流れ、全体を眺めれば矢のように過ぎ去っていく相対的な時間。 善悪では測れない、人と人との距離。 それらを俯瞰し、配置として捉える画家という観察者。 流れるような描写の背後で、役割を与えられた人物たちが、パズルのように緻密に配置されている。 前半は内面描写が長く続くため、ある程度の読書体力を要するが、中盤から後半にかけて立ち上がる強烈なコントラストは、本当に美しい。 わたしはこの本を、気高く厳しかった母に贈ろうと、心に決めた。他人に書物を贈ろうと思ったのは、今回が初めてだ。 そういう変化をわたしにもたらした、かけがえのない読書体験になった。
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