
紬
@tsumugu
2026年1月30日
世界99 下
村田沙耶香
読み終わった
audible
善意という監視のもと、世界に媚び続けた結果、考えることを放棄し、全人間の9割を占めるという「クリーンな人」となった主人公。
それでもやはり、世界はクリーンにはなり得ない。結局、世界には汚い感情も存在するし、性犯罪もなくならない。
なぜなら、私たちは清濁を内包する人間だから。残念ながら、争いも炎上も犯罪もなくならないが、でも、違いや想定外が自分を押し広げてくれることもある。多面的だからこそ美しいところもある。
表では汚いものを嫌悪しながら、水面下で匿名の仮面をかぶって汚いものを排泄している現代の私たち人間のリアルを、この小説は風刺しているように感じた。
ふと、エヴァンゲリオンの「人類補完計画」を思い出した。個が溶け合い、争いも不安も孤独もない、融合した世界。
その世界から戻ったアスカがラストで「気持ち悪い」と言っていたなぁ。


