くまごろう📚 "ぎょらん(新潮文庫)" 1900年1月1日

ぎょらん(新潮文庫)
“死者が遺した想い”を知ることのできる「ぎょらん」を通して、“死”との向き合い方、“今”との向き合い方を描いた連作集。 毎話登場する元引きこもりの青年がそれぞれの章の主人公たちと関わり、自身が囚われているものとの折り合いをつけていく物語。 人間の嫌な部分がしっかり描かれていて、完全な救いがゴールにはなっていないストーリーなんだけど、町田さんの文体の妙によってなぜかスッキリ気持ちよくスピーディに読めてしまった。 私は特に、「夜明けのはて」の章が刺さった。 ざっくりの主旨としては、自分の罪を抱えながらどう生きていくかっていうことを描いている章。 自分の些細な悪意に後々苦しめられること、あるよなぁって。 自分のことを“善”だと思えない“善良さ”が登場人物たちを苦しめている。 罪を背負って自分を嫌えることそのものがその人の“善良さ”だから、もう少し自分を赦してあげてほしいと思ったり、でも自分で自分にそんなこと言ってあげられないよなって自分を省みたり。 色々感じることのある章だった。 あと、この章の主人公と旦那さんは 「恋とか愛じゃない」関係性 だと書かれてるんだけど、 明らかに心の一部になっている状態は愛なのでは?と思ったりした。 全部の章で感じることがあって、 年齢層的にもちょうど納得感のある年代設定なのかもだけど、 町田さんの書く小説と相性がいいなと思う。 星を掬うも好きだったし、他の作品も読みたい。
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