
enoki
@en0ki
2026年1月31日
ハイファに戻って/太陽の男たち
ガッサーン・カナファーニー,
奴田原睦明,
黒田寿郎
読み終わった
パレスチナ出身の作家の短編集。どの話にも悲しみの気配が濃い。実際に虐殺を生き延び難民となり、生涯戦った著者の経験が色濃く反映されているのだろうと思う。訳のためか、視点が頻繁に変わる書き方のためか、少し読みにくさがある。
最も印象に残っているのは「悲しいオレンジの実る土地」で、短い話の中で「鮮やかなオレンジ」であったろうものが悲しみを帯びていく様子はひどく心が痛む。
離れたかったわけでもない土地の名前が変えられ、住んでいた家には別の人間が生活している悔しさ悲しさやるせなさ、そして怒りはどこに向かえばいいというのか。
これは物語だが、多かれ少なかれ実際にあっただろうと思う。たぶん今も続いているんだろうな。どうしてこれが続いているんだ。許されないだろ。