みっつー "儚い羊たちの祝宴" 2026年2月1日

儚い羊たちの祝宴
悪意、向けてまっか? 店員さんにイラっとするような対応をされたとか、その逆にお客さんにモヤっとするような嫌味を言われたとか、嫌いな上司に口答えしてみたり、SNSで冷笑してるやつを冷笑してみたり。 もっと人に悪意を向けましょう。 その悪意を伝染させて、この世界に生きる全員が全員に悪意を向け合う悪意主義社会な世の中を作り上げようではありませんか。 全国民がぶつかりおじさんや、並んでいるところを抜かしてまで空席をぶん取りに行くおばちゃんのようになれば、悪意を持って悪意を制す世界であれば、あなたはきっとストレスフリーでハッピーな生活を送ることができるでしょう。 悪意について何か書きましょうと言われたら、僕はこれくらいのことしか書けない。 そこまで悪意を向けることもなければ、あまり向けられない生き方をしてきたので、なんなら向けられても分かっていない可能性すらある。 むしろ、悪意を持って接してくる人がいるほうがYouTube活動をしている人間としては正解なのかもしれないとすら思う。 思い返せば、何度かコメントで「〇〇の動画の方が面白い」と言われたこともあるし、「〇〇した方がいいと思います」と言われたので動画を編集し直して「直してみたけどどうですか?」とコメントを返信したら全く返してくれなかったこともあった。なんだったんだあれ、コメント界隈のぶつかりおじさんなのか。前者に関しては「じゃあそいつの動画を見てくれ」としか言いようがない。 僕個人としての生活環境からすると、あまりにも悪意から遠いところで過ごしているというのが目に見えて分かる。 アルバイトがない日は基本的に部屋にこもりっきりで画面に向かって唾を飛ばし、自分が撮った動画でブヒブヒと笑い、本を読んでは9割くらい忘れ、「あれ?今日って一回も喋ってなくね?」というふうになってる人間に悪意をどうこうしている余裕などない。 やることが多すぎて好きなYouTuberの動画を見ることもできていない。オモコロチャンネルとよにのちゃんねるだけを見て生活してたい。 やはり強い悪意は、職場や、学校などの強いストレスを抱えるような場所で発生するということなのかもしれない。 もしくは、お金持ちの名家で巻き起こるお家騒動とか。 米澤穂信さんの『儚い羊たちの祝宴』という本を読んだ。 暖かいお布団の上でパシャリ 味わえ 絶対零度の 恐怖を 『儚い羊たちの祝宴』の帯より 一瞬ミステリかどうかを疑うレベルの帯文である。 どちらかというとホラーじゃねぇか。 お金持ちお嬢様が集う「バベルの会」という読書サークル。 そこに属する少女たちの身にあらゆる事件が降りかかり、最後の一行にたどり着いたあなたは背筋をゾッとさせられること間違いなしの暗黒連作である。 暗黒連作って言葉あるんだ。 基本的にそこまで「バベルの会」の描写はなく、お嬢様たちそれぞれのお家の物語が綴られている。 そして彼女たちのお家騒動は淡々と読み進めていくうちにみるみると不穏な空気へと連れていかれることになり、最終的には「え?」と声が漏れてしまうほどの驚きに満ちたものとなっている。 演出さえ変えれば「半沢直樹か」と思わせられるほどの緻密に練られ、悪意に満ちたやり合いは清々しさを感じるほどである。 痛快として捉えるか、それとも「ヒトコワ」として捉えるか、それによって、あなたの性格が分かります。 そう、この小説は性格診断です(違う)。 あなたも、いつか嫌いな上司をぶちのめす時のために、今から絶対零度の悪意を学んでおいた方が良いかもしれない。 そして悪意をのぞく時、悪意もまたこちらをのぞいているということも、この本で知ることとなるだろう。 華麗で、残虐で、お淑やかに、エグい、そんな作品をお探しの方はこちらでございます。
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