
DN/HP
@DN_HP
2026年2月1日

Kindle unlimitedにあったので再読してみると、第一章の語り手である田原が無意識に受け継ぎ完全に内面化している家父長制や男尊女卑の思考を「イクメン」という仮面を被って実践し、母娘に襲いかかる姿は「モンスター」(モンスターが仮面を被っているのではなく、仮面を被っているからモンスターなのだ)の様で、なかなかにグロテスクでヤダみがあった。そう考えると、この章は現実から創造された怪異と現実にも存在している「モンスター」の攻防だった、と読める、かもしれない。
更にそんな考えを進めてみれば、現在の犠牲者が呼び込むことにもなる、過去の古い社会のシステム、価値観の犠牲者によって力をつけ生きながらえてきた、ときに犠牲者に擬態もする怪異、そのなかにある犠牲者たちの怨念がその怪異というかたちをとって古い価値観の今の体現者である「モンスター」を齧り殺す、とも読めるこの章のラストは、なるほど、納得が出来るし、そこに感じていたカタルシスも間違ってなかった、気もしてくる。
というちょっと前に考えていたこじつけは、改めて書いてみるとやっぱり間違っているかもしれないけれど、そんな風に読んでみるのもありだろう。あとですね、全編通しては妻であり母親であった女性が、一人の人間として立つ物語としても読んでみたい気がしますね。

