
とろん
@toron0503
2026年1月31日

マルチの子
西尾潤
読み終わった
『愚か者の身分』が面白かったのでこちらも読んでみたけれど、こちらも面白かった。…これを読むと槇原希沙良は過去にマルチにハマっていたので、その返済で闇バイトをしていたのかもなあ、と思うなど。
西尾潤は「その部分こんなに細かく書く?」ってところがあって、真面目なシーンなのでそれが逆に可笑しかったりするのだけど、今作もそういうシーンは健在だった。往復の電車賃の金額を10円単位でとか、居酒屋で出されるメニュー全部描写していたりとか。
マルチの内情もだけど、心理描写も良かった。
真瑠子はゴールドとして大会で表彰されたので、「成功体験」として刷り込まれているけれど、実際はゴールドへの昇級条件の初月は1件自爆営業しているし、その翌月に3件自爆してゴールドになっている…「成功」しているとは言い難いのに大会での高揚感に上書きされて、マルチで自爆を繰り返しているんだろうな…。
このまま家族を大事にしながらマルチから距離を置くのかと思わせる流れからのラストは意外性があってとても良かった。…ただ、個人的にはネットに個人情報を晒されてからの「地獄のような日々」もモノローグではなく書いてほしかった気がする。