村崎
@mrskntk
2026年2月2日
永い言い訳
西川美和
読み終わった
むかしすごく好きだった小説、オーディブルきてたのでさっそく!
やっぱり好きだな〜〜西川美和監督の映画の空気感ものすごく好きなんだけど小説でも静かな雰囲気がすごく伝わってくる…号泣はしないんだけど、何度も何度も胸が詰まって一滴だけ涙がこぼれそうになる。
妻をバスの事故で亡くした衣笠幸夫、妻が事故に遭っていたとき自分は不倫真っ最中というなかなかにクズな男で、夫婦間にもほとんど愛情がなかった、けど妻の友人で同じく亡くなってしまったユキの夫である大宮陽一、そしてその子どもの真平と灯との交流を経て、ゆっくりと自分の心のうちに向き合っていく。
幸夫はお世辞にも善良な人間とは言えないけど、薄情というわけでもなく、陳腐な言葉だけど大切にしたいと思えるまでにだれかと向き合うことが少なかったのだと思う、作家という職業柄がどのくらい影響を与えていたのかはわからないけど、ひたすら自分の内にこもっていて、妻が亡くなっても涙は出ない、感傷的になる場面もない、ただ大宮家の母の喪失はほんとうにせつなくていじらしく、対照的な幸夫はのこされた家族にとって必要なものだったと思う
必要とされることを自覚できることで、自分もまただれかを必要とできるのだなあ、綺麗事も綺麗事を白々しく思うことも、いろんな立場から描かれていて、喪失の時間をこんなに永く書いている物語は案外少ない気がする。永い言い訳を考えられるくらいに幸夫が夏子に向き合っていう姿がよい、遅いけど、こんなことがなければ向き合えなかったのかと思うとやっぱり切ないけど、、





