
いちのべ
@ichinobe3
2026年2月2日
春にして君を離れ
アガサ・クリスティ,
アガサ・クリスティー,
中村妙子
読み終わった
1944年に発表された小説でも、描かれている人間の心理は、浅はかさは、愚かさは、今も変わらない。
特に「母親の過干渉な振る舞い」の今も古びない、生々しい質感よ……
12章ラストの一文にゾッとした後、エピローグを一気に読み終えて、「プア・リトル・ジョーン」という言葉に尽きるなあと嘆息した。
ジョーンの人生についての「謎解き」であり、ある種のホラーであり、人間は自己というフィルターを通してしか現実を知覚できないという話であり……たぶん自分の心の中にも、リトル・ジョーンは存在している。
要所要所、自分の家族関係がフラッシュバックしたのだが、特に以下が、あまりにも端的に、思い当たる理由を示唆していて呻いた。
> 子どもたちについても、ロドニーについても、わたしは何一つ知らなかった。愛してはいた。しかし知らなかったのだ。
そして「母と娘」の物語として捉えると、長女・エイヴラルの生き様が、あまりにも眩しく、頼もしい。
> それがエイヴラルなのだった——英雄気取りで悲壮がることもなく、過去に恋々とすることも、自己憐憫にふけることもない。自己を鍛練して人生をありのままに受けいれる逞しさ——他人の助力なしに生きぬいていく強さ。




