
ゆに
@nr_niji
2026年2月3日

闇の左手 (ハヤカワ文庫SF)
アーシュラKル・グィン,
小尾芙佐
読んでる
本を読むときはTIDEというアプリで環境音とタイマーをつけて読んでいる。『闇の左手』を読みながら雪山の音を流していると、
「その日の午後、丘の頂きからはじめて広く開けた眺望をながめた。コストル山が見える、ふもとから頂上まで四マイル。その西側の広大なスロープが、北方の連山の眺望をさまたげているが、これらの山には三万フィート級のものもある。コストル山の南には、無色の空を背景に白銀の峻峰がつらなっている。十三まで数えたが、最後の峰はあまりにも遠く、ぼんやりした光でしかない。その峰の名を運転手が教えてくれた。そこでおきた雪崩の話、突風で吹きとばされた陸航船の話、容易に接近できない高みで何週間も吹雪にとじこめられた雪橇隊の話などを、運転手は、私をこわがらせようとおもしろ半分に話してくれた。自分の前を走っていたトラックがスリップして千フィートもある絶壁を墜ちていくのを目撃した話。驚いたのは、それが墜ちるときののろさだという。まるで半日がかりでふうわりと奈落の底へ墜ちていくようで、ようやく四十フィートほどの雪の吹きだまりに音もなくもぐりこんでいったときにはほっとしたという。」
などの描写に臨場感が出て、頭の中が楽しい。電車にいることも忘れてしまう。



