
猫
@mao1012
2022年12月23日

真昼なのに昏い部屋
江國香織
読み終わった
かつて読んだ
自分の世界の中で、その世界に疑問を持たず暮らしてきた人妻が不倫という世界の外に飛び出していってしまった。
自分の世界の中が全てで、その「世界」だけが己の全てだと思い込む感覚はとてもよく理解できる。
ずっとそうやって生きてきた人間は、外に飛び出していけば勢いよく飛んでいってしまう人が多いように思える。
そしてそうして強くなった小鳥をみたジョーンズの想いにゾッとした。
世界の外に連れ出した張本人は最終的に、手に入れたら冷めてしまった。人間の残酷さ、愚かさを感じた。
これから美弥子はどうやって生きていくのだろうか?
狭い世界から連れ出してくれたジョーンズに、感謝しているのだろうか。
真面目な人ほど殻を破ると止まらないし飛び出したあとの活力が凄まじい。そして肝心な外に連れ出した張本人(浮気相手)は外に飛び出して行った彼女に魅力を感じなくなる。
人の愚かさとエゴイズム...結局人間は、影のある人や危うい立場にいる人間に魅力を感じ過ちを犯すのだと思う。浮気性の人は、恐らくそこに愉悦や快楽を見出すのだ
