
乖離
@karu
2026年2月2日
BUTTER
柚木麻子
読み終わった
孤独な男たちの崇拝と蔑みを集め、彼らを死に至らしめた容疑にかけられた女と、彼女を取材する週刊誌の女性記者。バターの魅力を滔々と語る容疑者に記者は魅了されていく。
咀嚼しきれない難しさはあるけど、展開が気になってぐいぐい読めた。
現実の事件を題材に取っているのは明らかだが、センセーショナルにその事件への妄想を掻き立てるものではない。
欲望に忠実に女性らしさを称揚する容疑者の語りを通じて、私が内面化した社会規範(痩せていなければならない、家族のために料理しなければならない等々)を揺さぶってくる。
結局こうした「ねばならない」とどう向き合うか、個々人の適量はどのくらいかは、手探りで生きていくしかないと思い知らされた。
あと食べ物の描写が蠱惑的でひさしぶりに良いバターを買いたくなった。
ヨーロッパでも話題だときく。日本の明文化されていない規範を描き出した本作は、外つ国で共感とともに受け入れられているのか、物珍しさで受け入れられているのか気になる。




