記憶の本棚 "満願" 2026年2月3日

満願
満願
米澤穂信
『夜警』『死人宿』『柘榴』『万灯』『関守』『満願』の全六篇。 史上初めての三冠を達成したミステリー短篇集の金字塔。 --------------------------- “なぜそれは起こったのか”という疑問に対して、話の最後に導き出される答えがまぁ、不穏で戦慄しちゃう短篇たちで、どのお話でも最後は「待って、そういうことなの!?そんな……。(衝撃につき絶句)」となってしまった、最高に面白い作品たちだった。 『夜警』『万灯』『関守』が特に好み。 そして米澤さんの紡ぐ言葉、表現の美しさがまた素晴らしかった。 --------------------------- 非のない娘たちをあれほど怯えさせたことは、何年経っても忘れられない。いまでも胸が締めつけられるようだ。 ただ、こうした思い出のひとつひとつに必ず教訓がある。 私は娘たちと共に育った、ということだ。(『柘榴』より) 日本は秋深く、街路沿いに植えられたイチョウが輝くように色づいている。空にはうろこ雲がたなびき、窓を開ければ涼やかな風が吹き込んでくる。懐かしかった。(『万灯』より) これほど多くの願いが叶っているのだ。私にも道がないはずはない。思えば没論理な開き直りだが、陰々滅々と手元だけを見つめる日々にふっと薫風が吹き込んで、悪い夢が払われたような心持ちがした。(『満願』より)
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