
たにこ
@chico75_11427
2026年2月4日
本を読んだら散歩に行こう
村井理子
読み終わった
翻訳家の著者のエッセイ集+そのエッセイの話題に近しい本の紹介。
早すぎる実父の死、アルコール中毒で亡くなった母、孤独死した兄、そして今は義両親の介護と双子の子育て。なかなかハードな人生を歩まれてる気がするが、それを読者に重く感じさせない、だけど考えさせてくれる柔らかい文章。
お勧めされた本はいくつか読みたいなと思います。





たにこ
@chico75_11427
自分が年齢を重ねることで世界が変わるのは、祝福でもあり、哀しみでもあるだろう。
積み重ねてきた美しい思い出の日々が、手のひらからこぼれおちていくような感覚はきっと恐怖以外のなにものでもない。しかし、それでも私はそこに希望を見いだすことはできるのではないかと思わずにはいられない。失われてしまったものを、家族が補ってあげることはできないだろうか。きっとできるのではないか。そのためにも、介護する側が世界を変えていくことだ。気持ちを汲むことだ。そんなことを考える日々である。(P128)
長い年月をかけて積み重ねてきた様々な記憶、美しい風景、音楽、忘れたくない言葉、大好きな人たち、そういった自分の基礎となっている宝物の数々を、失ってしまう日が来たとしたら。なにより、あの日の自分が、鏡の前に立つ、自分をようやく確立した喜びに満ちた自分が、あっさりと消え失せてしまう日が来たとしたら。こんなことを考えるのは、私が日常的に、記憶の断片を失いつつある人たちと接しているからなのだろう。
記憶が抜け落ちていく過程はとても曖昧で、まるでコップに張った水が時間をかけてわずかに蒸発していくような、そんな印象がある。はっきりとは見えないが、なんとなく目減りしていく。少なくなっていく記憶と濃縮されていく過去の思い出。強くなるこだわり。曖昧になる自我。過去が消え失せ、繰り返される「今」のなかに生きることの苦しさはいかばかりかと想像する。(P132〜133)