跡見
@ki_11
2026年2月3日
星に仄めかされて
多和田葉子
読み終わった
三部作の二作目。一作目では、偶然の連続が引き合わせた、Hirukoを中心とする人間たちの曖昧な推進力で物語が展開されたが、本作ではそのぼやけた輪郭の集まりが、共同体といえるものにまで形を変えていく。Susanoo が他者に突きつける悪意に満ちた問いを、ムンンが濾過し、透明で純粋なものにする。言葉を、感覚を規定せずに、"プロセス"をただ繰り返しながら生きること、その苦闘の軌跡の美しさ。「答えは、踊りの中にある。さあ、もう少し踊ろうよ。」という Susanooの言葉に、この物語の核がある。ムンンが繋いだ星座たちの即興のロンドの輪はどこまでも広がっていく。
