
Moonflower
@Moonflower0226
2026年2月4日
憎しみに抗って
カロリン・エムケ,
浅井晶子
読み終わった
1 可視-不可視
憎しみと蔑視2 組織的人種差別(スタテンアイランド)
2 均一-自然-純粋
均一
根源的/自然
純粋
3 不純なものへの賛歌
【感想】
ドイツのジャーナリスト、カロリン・エムケによるエッセイ集。
難民問題、人種差別、性的マイノリティ、テロリズムといった諸相における「憎しみ」がドイツ社会にもたらした亀裂を描きつつ、そこからいかにして脱却するかを丁寧に、声高にならないような落ち着いた語り口で紡いでいく。
その静かな、しかし熱意(と哀しみ)に満ちた叙述が見事。クレストブックスやエクスリブリスから刊行されている現代文学のようでさえある。翻訳の力もあるかと思う。
とりわけ印象的なのが、著者自身が性的マイノリティに属する者として「差別される側」に身を置いていること。だからこそ、「多様性」を訴える終章の説得力が否応なしに増す。
本書の問題系は今後もさらに多くの議論を(とくにここ日本で)呼ぶものであることは間違いなく、基本書のひとつとして参照されつづけるだろう。何度も立ち返ることになりそうだ。