しんどうこころ "ザ・ロード" 2026年2月5日

ザ・ロード
ザ・ロード
コーマック・マッカーシー,
黒原敏行
序盤は「ディストピアを描いたSF小説か?」と浅く読んでしまったが、読後感はまったく違った。 限りなく続く灰色の世界は舞台装置であり、突きつけられるのは、「人が人たるには?」という倫理である。 ラストは救済でも絶望でもない。 ただ、人間性を次へ渡せるのかが問われる。 長い物語ではないものの、似たような風景が長く続くため、辛抱強く読む必要がある。しかしその長い準備を経て開けるラストは、その分、ひどく美しい。 登場人物と自分の息子とを重ねながら読まずにはいられず、なかなかに胸が苦しい。
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