ザ・ロード
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しんどうこころ@and_gt_pf2026年2月5日読み終わった序盤は「ディストピアを描いたSF小説か?」と浅く読んでしまったが、読後感はまったく違った。 限りなく続く灰色の世界は舞台装置であり、突きつけられるのは、「人が人たるには?」という倫理である。 ラストは救済でも絶望でもない。 ただ、人間性を次へ渡せるのかが問われる。 長い物語ではないものの、似たような風景が長く続くため、辛抱強く読む必要がある。しかしその長い準備を経て開けるラストは、その分、ひどく美しい。 登場人物と自分の息子とを重ねながら読まずにはいられず、なかなかに胸が苦しい。
MizMiz@MizMiz2026年1月14日読み終わった何もない汚い世界をどうしてこんなに美しい文章で描けるのだろう。 何もない世界にいる父の愛、子の良心。人の残虐さ。 ただ生きていくことが難しいだけでなく、2人の関係しか頼るものはない。 そんな火を運ぶ2人の姿が描かれています。






益田@msd2025年12月24日読み終わった物語として作られた話だと感じた。 ポストアポカリプスな作品や寂寥感ある作品が好きな自分にとってはかなり面白かった。散文で綴られているのに加えて、徹底的に情報を削ぎ落とされた文章は、舞台が灰色の何もない世界であることをより強調していると思った。子という"火"は、父にとっての人間としての最低限の倫理観と尊厳を保つ存在だと考えた。そして父が亡くなることで、この『ザ・ロード』という物語が終わり、子が"火"を持つことを引き継いだ物語がどこかで始まったのかもしれない。




Anna福@reads--2503092025年10月8日読み終わった灰に覆われた死滅の世界を父と息子がショッピングカートを押して歩くという光景は鮮烈だ。 かつては穏やかな日常生活の象徴だったカートが、今では希望を運ぶ器となり、文明の残骸の中で彼らのギリギリの命を支えている。 この作品にはキリスト教的世界観が深く染み込んでおり、特に「原罪」と「人間の堕落しやすさ」というテーマが強く感じられた。 そもそも世界の崩壊は隕石の落下などではなく、人間の罪によるものだろう。 沈黙と暴力が支配する地獄のような世界で、息子は「火を運ぶ者」として倫理を選択し続ける。 彼が父に「ぼくらは善き者だよね?」と問い続ける姿は、キリスト教的精神の表れに思えた。 悲しいかな、私はこの世界に組み込まれたら、早々に恐らく母親と同じ選択をするだろう…






























