ねこやなぎ "光る夏 旅をしても僕はそのま..." 2026年2月6日

光る夏 旅をしても僕はそのまま
鳥羽和久さんの「光る夏 旅をしても僕はそのまま」は、2008年から2025年にかけて著者が 旅をされ、その経験を基に書かれた文章です。 旅に出て人と話してみたい、実際に顔を見ながら話してみたいと読後に思える稀有な本だと思いました。 著者が観察する風景や人間の様子を読むと、こんな風に旅をするんだ、と熱くなってくる。文章に揺さぶられて、読者側も心が表れる。 書き方の再発明に取り組まれていると感じます。 著者の旅には他人との摩擦がありますが、その上で信頼しようと試みつつ接する場面があり、興味深く読みました。著者は相手との関係をあらかじめ定めているのではなくて、目の前の相手の表情、沈黙や会話を一旦受けようとされていると感じて、その動きの機微を読む喜びがありました。 旅先で出会う人たちと関係するときの微細な距離、あるいは時間が文章に表れていると思います。数多くの出会いがあるけれど、一方で関係を決めようと急ぐことはない。 関係が定まらない居心地の悪さに留まりながら旅を楽しみ、その独特の居心地の悪さが引き延ばされて文章になっているようでした。
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