
編集Lily
@edition_lily
2026年2月7日
作家で食っていく方法
今村翔吾
読み終わった
トップを取る方は違う。
作家志望者はもちろんだけど、読んだほうがいいと思ったのはライター。特に「自分は表現者」だと思っている節があるライター。出版は商売なので、「自己実現」なんか勝手にどこかでやってくれ、という世界なんだけど、履き違えている人が多いし、じっさいそうしたトピックでしょっちゅうSNSが燃えている。
耳が痛いことが書いてある本だと思うけれど、出版社に数百万の先行出資をさせて本を出すというのはこういうことだ。発注者である出版社(編集)の期待を裏切らない、それどころか喜ばせてみせるという意味で旺盛なサービス精神と人間力。そして出力の数と質を最大化するために、何があっても毎日書き続ける。浴びるほど本を読む。努力し尽くしている人の真摯な姿勢にひれ伏したくなるばかりで、ただ厳しいだけの内容ではないのが本書だ。
〈出版業界は過酷な競争社会です。勝負から逃げ、競争から振り落とされる人は、売れる作家にはなりません。〉
〈原稿や作品という言葉が本質を隠していますが、作家は、取引先から受注し納品するという意味で、他の製造業と同じです。〉
こういうのも当たり前なんだけど、意外と誰も言わない。次の二つなんてもう、版元を超えて編集者たちの日常会話あるあるで笑ってしまった。
〈メディアミックスにしても書籍の装丁等にしても、作家が頑固になって、結果売れなかったら、「ほらね。お前が要らんこと言うからや」と思われてしまう。〉
〈難しい人なのに売れている人は、手間以上に売れるから、出版社もとことん付き合う価値を感じているのです。〉
そうだし、「売れてない人ほど、なぜか面倒臭い(コミュニケーションコストが高い)」というのはじっさい残酷な現実だ。
編集者が言うと燃えるから、表立っては言われない。でもみんな思ってるし、理解しておく価値がある。というようなことが、たくさん書かれていた。





