
ゆい奈
@tu1_book
2024年12月19日

読み終わった
「今日は曇りで、でも冬とは思えないくらい生ぬるくて、こういう日には洗濯物はどれくらい乾くのだろう。」という一文が特に印象に残っている。日常のなかで意識しなければ過ぎ去ってしまうことに気づけること、それらを言葉にすることの大切さを幾度も痛感したはずなのに、また、思い知る。わかりあえた喜びは、わかりあえない悲しみにかわり、すぐに忘れてしまう。桜が散る風景も、部屋の灯りの数だけ生活があるという途方もなさも、冬の静けさも、子の寝息も、うつくしいものはいつだってそこにある。怒り、嫉妬し、不安につつまれてはソワソワする私もここにいる。なにもかもあって、なにもかもがない。あるものにきづけるひとになりたい、ないものをないものとしてみるような人にはなりたくない。叫び出したくなるような過去も、言葉にできなかった怒りも、まるっとわたしの中にはあって、そうした隠していたものがこの本に救われた気がした。
それはそうと、ここは読書日記のように書いてもいいところなのかしら、きっといいということにして、そうだここに書こうとおもって、つらつら書きたい、けど眠たい。
子が三日ほど前にはじめて月をみつけ、指をさした。その一部始終をみて、泣きそうになった。そして夜泣きが増え、というのも隣から私がいなくなるとどういうわけか泣き出すという状態で、どうにもこうにも十分に本が読めなくなった。十分に読むって一体なに、とおもうけれど、満たされた感覚がなく、しかし今日はようやく読めた気がする。よかったね、わたし。母の私もわたしだけれど、本を好きな私もわたしとして大切にしたい。『心は孤独な狩人』を読みながら寝る。









