
ni
@nininice
2026年2月7日
雪国
川端康成
読み終わった
「静けさが冷たい滴となって落ちそうな杉林」
「窓の金網にいつまでもとまっていると思うと、それは死んでいて、枯葉のように散ってゆく蛾もあった。壁から落ちてくるのもあった。手に取ってみては、なぜこんなに美しく出来ているのだろうと、島村は思った」
「窓で区切られた灰色の空から大きい牡丹雪がほうっとこちらへ浮び流れて来る。なんだか静かな嘘のようだった」
余韻の残る表現がいくつもあった。普段わたしは好んで読むことはない男女の話なのだけど、彼らの存在が、これらの比喩や、何かの象徴や予感を孕んでいるような描写と完全に溶け合っていて、それなのに、それだからこそ、とてもリアルだった。


