
碧衣
@aoi-honmimi
2026年2月7日
こわれた腕環
アーシュラ・K.ル=グウィン,
清水真砂子
読み終わった
暗闇に仕える少女は外海からやって来た魔法使いと出会う。その出会いは少女の生きる道の選択を迫るものとなり、深い葛藤の末、少女が選ぶ道は───。
帝国に属する島のひとつアチュアンの墓地の大巫女が死に、彼女の生まれ変わりとして選ばれた少女は「喰らわれし者」を意味する名を付けられ、やがて過去も真の名前も忘れ去り、“名なき者たち”に仕える器としての年月を過ごすようになっていく。
そんな大巫女のみが入れる墓地の地下迷宮の宝物庫に眠る古のまじない師・エレス・アクべの腕環の片割れ。統治と平和のしるしが刻まれた腕環の文字を復元するため魔法使いゲドは禁忌の地下迷宮に潜入する。
前巻でもそうだったが、この世界の魔法は最強でも万能でもない。“名なき者たち”の力が強い地下迷宮でゲドは半ば死にかけて、少女の助力がなければ助からなかった。そんな少女にゲドは「自由」という可能性をもたらす。かりそめの安寧を手放し、重荷を背負って歩む自由。広がる世界と未知なるものに対する不安と恐怖、そして犯した罪への呵責…そんな思いを抱える少女をゲドが送り届けようとする場所は少女には最良の場だと思った。沈黙が許されたあの場所で少女の心はどう変化していくのか。
