橘海月 "そして誰もゆとらなくなった" 2026年2月7日

橘海月
橘海月
@amaretto319
2026年2月7日
そして誰もゆとらなくなった
著者の堂々たる空回りっぷりが、これでもか!と味わえるエッセイ。書店説明会の講演を頼まれて、まさかの健康情報を披露してしまう姿や、友人の披露宴の余興でガラス細工の小籠包を生かすための無理矢理な脚本に、それに纏わる捏造など、リア充ぽく見えて意外とそうでもない様がとにかくおかしい。 どのエピソードも魅力的だが、特に「しておくべき」に捉われた、マチュピチュにウユニ塩湖の旅行や、サイン会に向けての入念な準備のエピソードが良い。考え過ぎて誰も得しない、共感性羞恥が満載だ。 空気の読めなさが端的にわかる、高級な寿司屋で「今日はいいワサビが手に入ったんですよ」と目の前で大将が得意気におろしたそれに絶賛した直後の「サビ抜きで」には笑ってしまった。 「令和ロマンの娯楽がたり」が、私が初めて目にした朝井リョウで、トークがとても上手で話し慣れているのかな?と思ったあれも、入念に下準備した結果のアドリブのきかなさだったとしたら面白いな。彼自身が小説の登場人物かのように、キャラとして個性的だなとも。
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