はやしさん
@seiichi0884
2026年2月8日

多様性との対話
岩渕功一
読み終わった
岩渕功一『多様性とどう向き合うか』(岩波新書)読了後に、あらためて再読。新書版で示された問題意識のエッセンスが、岩渕による序章にまとまっている。耳障りのいいDEIとかダイバーシティとかを追求する影で、差別や不平等を是正する動きはうさん臭く思われるようになった。企業によるグリーンウォッシュとかピンクウォッシュを批判するまなざしの、ダイバーシティ版と言えるだろう
なお、岩渕の問題意識を共有する髙谷幸や塩原良和の章/コラムの切れ味はあまりに鋭すぎる
日本では、エスニックマイノリティの文化やアイデンティティを承認する多文化主義はそもそも希薄であった。とすると、日本の〈多文化共生〉とは、外国人に自助努力を求めながら、どう秩序と調和(unity)を維持するかをめぐる〈社会統合〉のことである。髙谷は、近藤敦の指摘をもとにこうのべる
ここでの問題は、「移民政策をとらない」と言明してきた政府が、その社会統合政策にもはっきり及び腰だという点、そして外国人が日本でちゃんと暮らしたきゃ徹底的に自助努力だ、うっかり税金滞納ふくめ悪さは厳禁だという姿勢だ。そこには、れっきとした納税者、地域住民としての外国人へのまなざしはない
これが、多文化主義を通過しないまま、多文化共生という擬制的統合政策へ到達した日本の今である。そんな日本では、日本語教師のかなりの割合がボランティアでまかなわれている。すさまじく高い日本語力を外国人に求めるのに、あまりに痛烈なシーンだ
衆院選は本日(2/8)終わる。そしてまた排外主義が吹き荒れるのだろう。その心の準備をするにはもってこいの一冊

