
藤野ふじの
@fujiponsai
2026年2月8日
珍獣に合鍵
早乙女ぐりこ
読み始めた
読み終わった
とんでもなく面白かった。主人公の奏は中高一貫の男子校で数少ない「女性教師」として働いている。生徒も同僚もほぼ男性の中で、自分の居場所や生き方を模索する。まず面白い要因のひとつは主人公が心の中で吐く毒の切れ味の見事さ。そうだよな、校長の話つまんないとかじゃなくて、たいして関わりのないおっさんだよな、特に思いいれのないおっさんからコールandレスポンス求められてもそれは困る。そんなキレキレツッコミが心地よい。
また、学校という場所の解像度がとても高く、教育関係の仕事をしている人にも読んで見てもらいたい。
そんな仕掛けてくる面白さに加えて、奏が決して投げやりではなく仕事に向き合って行くのに相手への伝わらなさや決めつけによってじわじわと追い込まれて行く息苦しさのリアルさ。同僚たち、生徒たち、家族たち、と閉じた場を作り上げて過ごす登場人物の中で、唯一、個を自ら選ぶことで前向きになる真野がすごく良かった。彼の選択が物語に加わることで、奏の進む道も同じ場所歩いているように見えてもがらりと変わって行く。
