
まめご
@mmg_86
2026年2月8日
ぼくの死体をよろしくたのむ
川上弘美
読み終わった
リニューアル前の雑誌「クウネル」が大好きで、毎号まず開くのは「江國香織姉妹の往復書簡」と川上弘美の短編小説のページだった。
江國姉妹の往復書簡は結局単行本にはならなかったけれど(今でも未練たらしく本にならないかなと思っている)、川上弘美の短編小説はその後3冊の本になり、文庫で揃えている。
その3冊は例えるなら、郊外を流れる大きな川の川っぺりを、よく晴れた休日にひとりでのんびりと散歩しているような気持ちよさがある。
川っぺりにはそれぞれ好きなように過ごす人たちがいて、それを眺めながらゆっくりと歩いている、そんな読み心地。
『ぼくの死体をよろしくたのむ』はそこから少し時間が経ってからの短編集で、それぞれのお話の味わい深さは変わらないものの、先の3冊とは少し雰囲気が変わったように感じた。
これは川というより、山の中の静かな湖のようだ。
しんと静まって人けがあまり感じられない、木々を抜けた先に突然開ける穏やかな水面。
単に私が年齢を重ねて感じ方が変わっただけなのか、それとも先の3冊よりもほんの少しだけ死の気配が強いお話があるからだろうか。
どちらにせよ読み終わった後の静かな満足感は相変わらずで、長編もいいけれど川上弘美の短編、好きだなあと思う。
「クウネル」の頃にいくつかあった、修三ちゃんとアン子のお話、それから小さい人が出てくるお話がここにもあったことが、とても嬉しかった。









