さんかく "凍りのくじら" 2026年2月9日

凍りのくじら
凍りのくじら
辻村深月
この作品を読みながら、『凍りのくじら』というタイトルの意味を考え続けていた。 ドラえもんのアイテムが印象的な物語だからこそ、なぜくじらなのだろうと疑問だった。 読み終えて、凍りのくじらとは救われる以前の姿そのものなのだと感じた。 病を抱える芦沢光も、スコシ・ナントカと自分で決めたラベルに縛られる理帆子も、流氷に動けずに喘ぐくじらなのではないかと思った。 ドラえもんの道具やラベリングは「あったらいいな」という一時的な救いにはなるが、状況が変わればそれ自体が流氷になることもある。 辻村深月は、希望ではなく苦しさ側をタイトルに据えることで、違和感を持たせ読者に考えさせることが目的だとしたら、まんまと策にはまってしまった笑 なんにせよ読み応えのある1冊でした。
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