
しおり
@Kaffee5888
2026年2月10日
黄色い家
川上未映子
読み終わった
貸していただいた本!
うわぁぁ!読後に残るこの圧倒的に読んだ…読み切ったよ…の走りきった感、久しぶりでした。面白かった。最後まで読んで、すっきりすることもないし、もやもやすることもない、ただ黄色い家があったんだ、っていう事実だけがすり抜けていくような作品でした。良い読書。
金と親子関係と生き方の3つが主軸かな。
まず、金。総括、金で得た縁は碌な終わり方をしない。そもそも対等な関係ではないのだ。貸す人と借りる人、支配者、支配される人、それで区別される。お金が絡み出すと人間関係ってどうやってもギスギスする。それがどんなに親しい関係だったとしても、人は金で変わる。
金は人生を変えられる。それだけの魔力も力もある。だからこそ、人は金で変わる。
幼少期とかに得られなかったものにずっとしがみついてしまうんだろうな、と思った。ずっと欲しかったのに手に入れられなかったもの、とか。それがあれば人生変わったのに!とか恨んでみたり。
誰かに縋って、誰かを生きる理由にしてみたりして、そうやって生きた人間の手には何も残らないんだなぁ…と少し苦しくなった。花だっておそらく、はじめて手にした家族みたいなものを守りたかったんだろう。それが自分の役割を超過していたとしても。ただ、それをやり切れるほどの人間ではなかった、背負い切れるほどではなかった。無償の愛を振りまけずに、愛を押し付けて、返してくれと泣くのはあまりにもやることが幼稚だ。それでも信じたかったのだろう、はじめてできた家族に似た何かだったから。彼女はずっと子供のままだったのだろう。誰にも甘えられずに大人にならされたから。
全員がちょっとずつ人に寄りかかって生きて、自分の人生をちょっとずつ人に押し付けているから、だからみんなどんどん悪いほうに転がっていく。どうにかなる、で生きていけたらどんなに楽だろうね。どうにもならないから、ちゃんと地に足をつけて、嫌なことも「あーなんかまぁ嫌だけど、ちゃんと生きますよ〜」くらいでしぶとく生きている。それが出来ない人たちがどんどんこの社会からあぶれていく。
この作品、だいぶしんどかったです。
最後のシーンが花の人生を表しているようで辛かったな、と。どこにも、何にも残ってないんだね。なかったのかもね、黄色い家なんて。







