Santiago "廃用身" 2026年2月10日

Santiago
Santiago
@snows
2026年2月10日
廃用身
廃用身
久坂部羊
実写映画のポスターの不穏な雰囲気と、字画が削られたタイトルロゴに惹かれて借りた。 舞台は回復の見込みのない麻痺を患った老人達をケアするクリニック。老いて死んでゆく者の介護という、将来性の無さと無理解から敬遠されがちな老人医療に取り巻く課題をなんとかできないか苦悩する医師は、思いがけず麻痺した四肢を切り落とすことで介護負担が減らせる処方、通称「Aケア」を発見し、その有用性を示す言論から本書はスタートする。 読み進める度に、考えてはいけない倫理的なタブーがひとつひとつタブーではないと丁寧に解かれていくようで恐ろしく感じた。 一方で、本書は決してホラー小説ではなく、これから(2005年著のため既に20年前だが)老人医療が直面する問題に強く向き合った医療小説であり、それは決して他人事ではなく自分たちにも起こり得る問題の様様を投げ掛けてくる。 まるで著者は未来が見えているかのように描かれるストーリーとその結末は、著作から20年が立っても映像化されることが頷けるような作品だった。
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