むこうやま
@65yama_kana
2026年1月31日
ケアの倫理
岡野八代
読み終わった
正月に読んだ本。いまさらメモ。
「(…)ケアの倫理は、異なりを抱えた存在者たちの不平等な関係性のために、個々の被傷性の程度には大きな違いが存在していることに対応するために人間社会は存在しているし、存在すべきだと考える。すなわち、わたしたち人間には、最も傷つけられやすい者たちを含めた、傷つけられやすい者たちがじっさいに傷つかないように配慮する社会的責任がある。その認識こそが、社会を構成する原理の端緒にあるはずだと考えるのだ。」
「ホッブズのようにひとが自生するかのように想定するのをやめ、むしろ、一人ひとりの生の端緒に思いを至らせてみる。すると、傷つけられやすい、環境によって左右されやすい、放置されると死に至るような脆弱な身体がある。そして、そうした身体が発するニーズを感知した者たちが、あるケア関係へと包摂されていくと想像できないだろうか。(略)ひとの端緒に傷つけられやすい身体があることから、そのニーズを満たすために社会が構成されていくと発想を転換することで、包摂を呼びかけているのは、他者に晒される身体をもつ依存する者たちであり、依存する者たちがまず社会に存在すると考えることができる。そして、このような傷つけられやすさと依存を根絶することは不可能であり、かつ理想でもない。」