
もつ
@motu
2026年2月10日
永遠についての証明
岩井圭也
読み終わった
巻末の森見登美彦先生の解説が適切すぎて自分の感想が上手く出てこない。
理数系壊滅の私には分からないジャンルの話で、本当に数学をやってる人が読んだらどういう感覚になる文章なのだろうと気になった。数学をやらない人間には「うーん、なんかすごいんだね」(漠然)の感覚。取っ付きにくい話ではあるが、惹き込まれてからは読みやすくてあっという間に読み終わった。
とある視点の死が一番最初に定義され、また、読んでいる中で終わりへの展開は何と無く分かってくる。分かった上でも最後まで見届けたいと思える登場人物の愛嬌がある。堕ちる話であると思うが煌めきに満ちていて、カリスマ性で自分の首を絞めた不器用な天才の話だった。素直に他人を頼れず、手を伸ばせずに自滅する話はよく見るが、素直に手を伸ばしても大切な人達に手放され、見捨てられていく描写は、仕方無さや妥当さがありつつも悲しく重かった。とある事象の中においてずっと生き続けることが出来る永遠の存在になってしまった事に救いは無い。救いは無いが、それでも森の最奥で古い友に再会したかのように友の魂に再会する場面は切ない感動があった。魂の芯まで響いたとは言えないが、そこそこ楽しめた作品だった。