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もつ
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@motu
読了記録用。超ものぐさなので感想に雑さが見られることが多々ある。個人の感想なので、何の参考にもしないで下さい。
  • 2026年2月10日
    永遠についての証明
    巻末の森見登美彦先生の解説が適切すぎて自分の感想が上手く出てこない。 理数系壊滅の私には分からないジャンルの話で、本当に数学をやってる人が読んだらどういう感覚になる文章なのだろうと気になった。数学をやらない人間には「うーん、なんかすごいんだね」(漠然)の感覚。取っ付きにくい話ではあるが、惹き込まれてからは読みやすくてあっという間に読み終わった。 とある視点の死が一番最初に定義され、また、読んでいる中で終わりへの展開は何と無く分かってくる。分かった上でも最後まで見届けたいと思える登場人物の愛嬌がある。堕ちる話であると思うが煌めきに満ちていて、カリスマ性で自分の首を絞めた不器用な天才の話だった。素直に他人を頼れず、手を伸ばせずに自滅する話はよく見るが、素直に手を伸ばしても大切な人達に手放され、見捨てられていく描写は、仕方無さや妥当さがありつつも悲しく重かった。とある事象の中においてずっと生き続けることが出来る永遠の存在になってしまった事に救いは無い。救いは無いが、それでも森の最奥で古い友に再会したかのように友の魂に再会する場面は切ない感動があった。魂の芯まで響いたとは言えないが、そこそこ楽しめた作品だった。
  • 2026年2月4日
    YABUNONAKA-ヤブノナカー
    話題作ということで読んだが、とにかく長い。ゆっくり読んでいるうちに合間合間で感じていた感想も抜け落ち、つまりはどういう事なのか自分の中でも上手く考えが纏まらず、読み終わった直後なのに既に再読すべきか悩んでいる。マルチビュー形式で書いてて、それぞれの人物の偏った思考と人格の書き分けがものすごくて、金原ひとみさんという作家さん自体も長岡友梨奈のような人格の乖離のある作家さんなのではないかと恐れ慄いた。 十数年前の婚姻関係にあった間柄でなされていた事を性的搾取だったと叫びながらも自分は若い彼氏と同居している立場にある長岡友梨奈のヒステリックでエキセントリックな面にはとにかく同調の出来なさがあり、でも個人レベルの思索の話になると一理あるのが何とも複雑なキャラクターで、奇妙な愛着を持って眺めていた登場人物なだけに、展開としてのショックは強かった。 また、木戸悠介視点の救われなさ。人は歳を取るごとに価値観の変革を成すのが難儀になり、なかなか自分をアップデートしたり、若い人の価値観を自分の価値観と擦り合わせて上手く立ち回るのが難しくなっていく生き物だとは私自身20代後半にして悩んでおり、誰かに自分の生きた時代とそこで形成されてきた自分という物を肯定して欲しいとどこかで悲しさや虚しさに立ち行かなくなる日が来るのだろうかとやや絶望に近いものを覚えた。色んな思い出を実は美化したり自己正当化してるだけなんじゃないの?っと猜疑心を感じる語り手ではあるものの、時代やそれを取り巻く空気感の被害者とも言えるし、要はどれだけ自分の美意識を持ち、『なにか無いのか?』という自問自答にたくさんの答えを持ち合わせていくかの問題なのだろうとも思う。その時その時を一所懸命に生きていても虚しくなる日が来て、だからこそ最後のリコ視点の「誰かのための無敵感」という若さの持つ煌めきに圧倒的に心が救われる思いがする。 この潔癖症な人間が増加している社会において、誰からも好かれるなんて不可能で、視野狭窄と言われようと大切な誰かの為に自分の正しさを持つ勇気が欲しい。
  • 2026年1月26日
    ぼくのメジャースプーン
    もっと早くに読んでおけばよかったと読了後に素直にずっと引きずっていて、読み終わったのが先月末なのに感想もなかなか上手く出てこなかった。 自己愛と他者愛の境界線上の紙一重すらも愛と定義して優しく肯定してくれる秋先生に救われるような思いもしたし、それと同時にやはり自分のためにしか涙を流せないというのもどこかで真実で、私はずっと自分のために他者を思って泣いてきたのだと思う。他の人の感想を拝読して完全に読む順番を間違えたと見えるが、ここから読み始めても十分に満足して楽しめる作品だった。 愛という言葉に定義上の難儀を感じた時に立ち返って読み返したい名作だと思う。愛蔵版欲しくなってしまった。
  • 2026年1月22日
    さやかに星はきらめき
    作者さん本人の「もうちょっと日が当たって欲しい」という呟きを見て何となく読んだ。SFと呼ぶには少しファンタジーが強すぎる。あと登場人物の感情の機微がいまいちピンと来なかった。『人間、悪い人もいたけど良い人もたくさんいたよ』的な大雑把な文章に辟易した。その文章お出しする割には悪意ある登場人物は出てこない。童話的な優しいお話と言えばそうだけど、童話って実際結構エグい悪意を持つ登場人物沢山出てくるし、そういうのを期待しただけに、ただただお綺麗ですねぇ……としか思えなかった。端的に言えばあまり私には合わなかった。クリスマスに子供に贈りたくなるような心持ちも起こらないくらいには内容がギッチリしててどの年齢層に向けて書いたのか全然分からない。 個人的には付喪神のお話は良かった。カーネルサンダースの人生とか全然知らないけど、それを模して作られた像ならなんか良心ありそうな気がする(雑なイメージ) 散々に書いたけど、世界観は突飛で面白かった。SFと聞いて想像するのがインターステラーとかプロジェクトヘイルメアリーとかである自分の認識の歪み。合間合間の編集部の話はノイズ。
  • 2026年1月17日
    死刑にいたる病 (ハヤカワ文庫JA)
    再読。あまり内容覚えてなかったし多分また忘れる。エンターテインメントとしては面白い小説だと思う。 憧れて自分も殺人を犯しそうになる主人公に言いたいのは藍染惣右介の『憧れは理解から最も遠い感情だよ』ってやつなのかも。自分の大切に思う人の言葉でも真に受けすぎるとそれは最早洗脳なのかもしれないね。
  • 2026年1月8日
    ピエタ
    ピエタ
    過去の秘された愛だったり、これからの世の中に対する不穏な空気だったり……そういった事が仄めかされる割にはどれも輪郭が掴めず、作中においては戦争も起きない。ただ人生の中にある不安や喜びなどとしてサラリと語られるに留まり、少し淡々とした印象は受けるが、晩年読みたい本の一冊になった。どんな状況だろうが、よりよく生きる意識こそが人生の真価で、人生の祈りに耳を傾ける時間こそが人としての喜びかもしれない。人生という漠然としたものに不安を抱えず、一過性のものだとしても目の前にある大切なものに手を差し伸べることが出来るかどうかが自分の人生の値打ちになるかもしれない。いかに見誤らずに大切なものを見出すか〜の方に悩むし、自分の地頭の悪さは感じるわけだが。 カズオ・イシグロの『日の名残り』を読んだ時に、美しい夕暮れを迎えたいと思ったが、美しい夕暮れを見るための意識の物語なのかもしれない。
  • 2026年1月6日
    52ヘルツのクジラたち
    話題作だけど初読。今の私にはピンと来ない作品だった。52ヘルツの仲間に届かない声を発するクジラが実在するというロマンチックさは漠然と良い学び。外敵の少ないクジラは大体の種類が70年以上生きると調べたら出てきて、今も孤独に泳ぐクジラがどこかで人知れず声を届けていると思うと熱い。クジラ自身は自分の発している声を意味のある音として認識しているのだろうか。クジラよりは密度高く生きてる人間という種においても孤独という問題は根深くて、人の輪や繋がりだとか、誰かの発する声に耳を傾けることだとか、大切だよねと思いこそすれ、そんなんはわかってるんじゃい!!っと刺々しい己が生えてきてしまい、今の私の気分には合わなかったのを悲しく感じた。今の私に合わなかっただけでとても良い作品で、当たり前を見直したい時に触れたい作品かもしれない。妾としてでも愛されたい主人公のままならなさとか主税の自己愛強い不倫だとか、そういう傍から見てれば気持ち悪くて異常な状態に陥ってる登場人物を自然に「こういう人間もいますね」とお出しできる町田そのこ先生の筆致は本当に凄い。
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