
紬
@tsumugu
2026年2月10日
コンビニ人間
村田沙耶香
読み終わった
audible
読み終わって、記録しないままになっていた。
世界99で初めて村田さんの描く世界を体感し、2冊目として読んだ。
自分自身の感覚を通してしか生きられない主人公が、周りの理解できない「世間」まみれの人たちの基準を取り入れて体裁を整えようとする生き方を手放し、「コンビニ人間」としての自分らしいありようを確立するまでの話。
確かに私たちは、他者や世間の影響を避けがたく受けながら生きているし、下手すると、影響されすぎて、どこからどこまでが自分なのか、自分でよく分からなくなってしまったりする。それで自分も気づかないうちに、誰かの世界の中に、ズケズケと踏み込んで何かを押し付けてしまったり…
私たちはどこかのタイミングで、この主人公のように、生き方を選択し、個を確立できると、ささやかだけど揺らぐことはない、そんな幸せを得られるのかもしれない。
主人公は、共感性に欠けるところはかなりあるが、世界やそこに生きる人々をフラットに観察する眼は鋭く、コンビニという整然とした世界での仕事ぶりも、細やかで磨き上げられている。そして、整然とは遠い雑多でカオスな世界の中で、生きていくのを選ばないこともできるのだと、主人公は身をもって伝えているように感じた。



