いるかれもん "町の本屋はいかにしてつぶれて..." 2026年2月11日

町の本屋はいかにしてつぶれてきたか(1079)
うちの最寄り駅にも小さな書店があり、以前1回くらい立ち寄ったことがあるが、さほど興味のない雑誌の書棚が店内の半分を占め、書籍の品揃えも微妙だなと思いそれ以降立ち寄らなくなってしまった。普段、都内に勤めているので、よくいく本屋といえば、都心の大型書店。品揃えも良くて、店内を歩き回るだけでも気になる本が目にとまる。行くだけで楽しい。買う本は何だかんだ最近は文庫本が多い。物価高になったとはいえ、外食一食分くらいで購入できるからお手軽な価格だと思う。多分同じような読書習慣を持つ人は多いと思う。しかし、この本を読むと、そうした読書習慣の皺寄せが町の本屋を潰してきたとことがよくわかった。昨年末、最寄りの本屋も潰れてしまった。  サブタイトルにもある通り、戦後、(町の)書店が生き残りをかけて取次、出版社、公取、コンビニエンスストアなどなどと戦ってきたことが克明に描かれている。その中で印象的だったのは、書店への配本は取次が牛耳っておりベストセラーなど人気の商品は、大型書店に優先的に配本され中小書店には回ってこないこと(必要部数が届かないとか)。最寄りの本屋の品揃えが悪いのは本屋のセンスが悪いとかではなく構造上の問題だった。また、戦後の物価上場の中で書籍の価格上昇は低かったが、収益を出すためにはその分大量に刷られた。そのため輸送費が問題となるがその皺寄せも書店に。文庫本をよく買う身としては耳が痛い。図書館員としては10章のTRCについては目が離せなかった。そのほか様々な問題があったが、最終盤、最強の書店としてAmazonが登場し、町の小さな本屋どころか大型書店もろとも駆逐していく様子は読んでいて虚しくもなった。  専門的な内容であり、私自身理解できていない部分もあったが、こまめにまとめが書かれておりそこを読むだけでも価値はあると思う。(ぜひもう少し大きな版で『図解 町の本屋はいかにして潰れてきたか』とか出してほしい。)出版業界の人だけではなくて、本が好きな方であれば、こういう書籍流通の本も読んでみるのもいいのでは?
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