
Moonflower
@Moonflower0226
2026年2月11日
人生の段階
ジュリアン・バーンズ,
土屋政雄
読み始めた
読み終わった
かつて読んだ
1 高さの罪
2 地表で
3 深さの喪失
【感想】
刊行時以来の再読。当時は3部にいたく感銘を受けたものだったけど、今回は不思議と2部に惹かれた。
1部は気球にまつわる群像が描かれる歴史編。
2部は1部における「もしも……」が描かれる虚構編。
3部は妻を喪った作家本人の独白ないし回想が描かれる現実編。
1部2部は、言ってみれば作家に3部を書かせるための足がかりのようなもので、作品として必要であるとは必ずしも言えない。ただ、訳者解説にあるように、バーンズ本人にとって必要不可欠な「筋書」だったのだろう。その点を含め、とても真摯な「喪の作業」だと思う。
とはいえ、そこはバーンズ。鬼面人を驚かすような作品ばかりものしてきた御仁らしく、様々なところに現れる「繰り返し」の妙がいかにもバーンズなのだった。