昼寝ねこ "ある行旅死亡人の物語" 2026年2月11日

昼寝ねこ
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@hiruneko
2026年2月11日
ある行旅死亡人の物語
ある行旅死亡人の物語
伊藤亜衣,
武田惇志
官報に記載された身元不明の『行旅死亡人』。3,400万円もの大金を遺して孤独死した一人の老女の過去に通信社の記者が迫っていく。多くの謎が少しづつ解明されていく様子は推理小説を読むようでとても興味深い。手掛かりは「沖宗」という珍しい苗字の印鑑。記者はその僅かな糸を辿って尼崎から広島まで追いかけていく。驚くのはこれらが全て事実であるということだ。事実だから推理小説のように謎がスッキリ解明されるわけではないが、本来なら無縁仏となってしまうはずの老女を故郷の土に還してあげられただけでも記者の努力は賞賛に値する。結末がスッキリしない部分は確かにあるが、これ以上深掘りすると興味本位の取材になってしまう。故人のためにも過去を追うのはここまでで良かったと思う。
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