
きなこ
@kinako_happy
2026年3月5日
暁星
湊かなえ
読み終わった
湊かなえさんの 『暁星』を読み終えて、私が感じたのは、静かでどこか切ない恋愛小説だったということでした。これまでの湊かなえさんの作品は、ミステリー色が強くて衝撃的な展開の印象があったのですが、この作品では人の心のさみしさや、誰かを思う気持ちがやさしく描かれているように感じました。
登場人物たちはみんな完璧ではなく、それぞれに迷いや弱さを抱えています。その姿がとても人間らしくて、読んでいるうちに「こういう気持ち、わかるな」と思う場面がいくつもありました。恋愛というものは必ずしも思い通りにいくものではなく、時間が過ぎても心のどこかに残り続ける思いがあるのだと感じました。
タイトルの「暁星」は夜明け前に輝く星のことですが、この物語も、暗さの中に小さな光があるような雰囲気を持っているように思いました。
登場人物たちの人生がすべてきれいに解決するわけではありませんが、それでもどこかに希望のようなものが感じられて、読み終えたあとに静かな余韻が残りました。
派手な出来事が続く物語というよりも、人の気持ちの揺れや時間の流れをゆっくり考えさせてくれる作品だったと思います。切なさの中にもやさしさがあって、心に残る小説でした。