
汐見
@siomi250927
2026年2月12日
アヘン王国潜入記
高野秀行
読み終わった
「誰も行かないところへ行き、誰もやらないことをやり、それをおもしろく書く」というのが約二十年変わらない著者のスタンスとのこと(文庫版あとがきより)。
表紙ではこのタイトルと、ケシの花畑で銃を担ぎ笑顔の青年たち。まさにこの人にしか書けない本。
1995年10月に始まる約7ヶ月、ミャンマー北部、反政府ゲリラの支配区「ワ州」に滞在した記録。
ケシの栽培、アヘンの採取を自ら体験することを目的の一つとしつつ、現地の人々との人間味溢れる交流が本書と切り離せない。
それがアヘンになるということを除けば、そこで生活する人々は田舎の気の良い農家といった風情。
アヘンを作る人々=必ずしも悪ではなく、土地柄や上層部の利権などいろいろな背景がある。現金収入の手段としてのアヘンをいきなり捨てることは困難な現実。それを体感して著者が上申した、アヘンではなくモルヒネの産地にしようという提案書は、当時のワ州に対して最大限できることだったように思う。
知らないことを知ることができ、おもしろくもほろ苦い、読んで良かった本。





