
あおたむ
@aooimmo
2026年2月9日
どうしても生きてる
朝井リョウ
読み終わった
【感想 ネタバレ】
「コンビニ人間」もそうだったけど、朝井リョウは決してフィクションとは言い切れないフィクションを書くのが上手いなと思った。
生きていれば誰しもが起こり得ることを色んなタイプの問題に分けて話が作られていて、どれも決して自分に起こらないとは言い切れなかったし、周りの友達が抱えている可能性もあると思った。
結婚や出産の幸せな部分だけ見て生きていきたいのに、不倫、死産、浮気、仕事での不正など、幸せと表裏一体の存在が、いつも考えないようにしているものが浮き上がってみえたから、読んでて気分が悪かったんだと思う。
特に「そんなの痛いにきまってる」は、悲しくなった。自分が思ったことを篩に書けずにそのまま出すことが、吉川さんの本当にしたかったことなんだと思うと、そんな人がそんな理由で社会から疎外されるのは皮肉というか、難しいシステムだなと思った。
一貫して良太とみのりの夫は終始ムカついてた。
最後のみのりの外れくじの話はすごく好きだった。
私も家庭環境が原因で、いわゆる普通の、ノーマルな幼少期ではなかったと思うし、その分良い経験をさせてもらったことは沢山あるけど、それでも他の同い年の子達がしなくていいような思いは多数してきたと思う。「なんで普通の家に生まれなかったんだろう」って思ったことが数え切れないくらいあるけど、それでも巡り巡って今は大好きな人、ものに囲まれて幸せに過ごせてるから、結局外れくじなんてアテにならないと思う。
何が人生を変えるのかは分からないし、見逃してしまうような小さなことかもしれないけど、年老いた時に今までの人生を振り返って「案外当たりくじを引いたな」と思うことができたらいいなと思う。
私には重すぎて、現実に絶望を見出す内容だったので合わなかったけど、良い本だとは思った。
