
きなこ
@kinako2025
2026年2月11日
脚のない鳥
カン・ソッキョン(姜石景),
松渕優子
読み終わった
韓国文学
慶州の図書館で司書として働くヨンソ。
ある日、造園学科の元教授の蔵書を引き取りに行く業務を請け負う。
南山の目的地に到着すると、蔵書はみすぼらしいコンテナの中にぎっしり詰まっていた。
家族と離れ、一人で2000冊以上の専門書に囲まれて過ごしていた元教授は老衰のため入院していた。
本を愛する気持ちは理解できるが、自宅内が本に侵食されていく過程は我慢できない。そんな私は本当の愛書家ではないのかもしれない。ここに登場するヨンソの夫や同僚のキム係長を見ているとそう感じる。
老教授のように、自分が倒れると家族に迷惑がかかると思ってしまう。
ヨンソが夫に言い放った「お墓には何にも持っていけないんだから」というのはその通りだとも思うし。
小説の中に出てくる香港の俳優レスリー・チャンや、彼が主演した映画『欲望の翼』、そしてヴィム・ベンダース監督の『ベルリン・天使の詩』など懐かしさ満載で、胸に沁みた。
そしてラストもいい。
色々と手放さねばならなかったヨンソだが、自身の内に積み重ねていた記憶は色褪せず、再び輝き出すのを待っていたと解釈したので、希望が感じられた。
